Books Review No.17 対話編
- 作者: 金城一紀
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/06/30
- メディア: 文庫
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恋愛小説はいい。
心が癒される。
この本には比較的短い三篇がおさめられている。
恋愛小説
永遠の円環
花
恋愛小説は、死神と呼ばれた少年の恋。
彼は仲良くした友人も恋人も家族も皆死なせてしまう。なぜだか知らないけど、周りの人が死んでしまうのだ。
かなしい運命を背負った男。
でも出会ってしまったのだ。出会うべき人に。
自然とその人と恋人関係になっていく。
でも運命は変えられず、やがて彼女は重い病気になっていく。
会うのを控えたほうがいいという男に対して、彼女の言葉がとても印象的。
『いくら親しい人がいたとしても、会わなくなったらその人は死んじゃうのよ。』
『人はみんな死んじゃうんでしょう?だから会わなくなった人は死んじゃったのとおんなじことなのよ。たとえ思い出の中で生きていたとしてもね』
『とにかく、私が言いたいのはね。好きな人とは会い続けなくちゃいけないってことなの。たとえどんなことがあってもね。』
さぁ、みんな。会いたい人とは今すぐアポをとれ笑。人生いつの間にか終わっちゃうぞ笑。
永遠の円環は末期の入院患者と殺し屋の話。
実際に殺し屋っているのかな?
末期の入院患者が友人Kに人殺しを頼む。相手は、憧れの女性の不倫相手。
死ぬ前にどうしても彼を殺したかった。
そのことを友人Kに打ち明ける。そして、友人Kに人殺しを頼む。
ここからはネタばれしちゃうので書きませんが、殺し屋のキャラと存在感の出し方がうまい。伏線の張り方がgood。
花は、老年の弁護士と病気で怖くなって会社を辞めた男が国道一号、二号、三号線を使って車で鹿児島まで旅をするという話。
このたびの目的は、28年前に別れた老弁護士の奥さんの遺品をホスピスに取りに行くこと。
この道は奥さんとの新婚旅行の道だったのだ。
思い出をひとつひとつ思い出しながら、鹿児島への旅。
印象的なのは、老弁護士の言葉、
『本当に愛する人ができたら、絶対にその人の手を放してはだめだ。放してしまったらその人は誰よりも遠くに行ってしまう。それが、私の28年分の後悔だ』
皆さんも愛する人ができたらその人の手を放してはだめだよ。←きもい笑。