Books Review No.48 小さいことにくよくよするな

小さいことにくよくよするな!―しょせん、すべては小さなこと (サンマーク文庫)

小さいことにくよくよするな!―しょせん、すべては小さなこと (サンマーク文庫)

この本には100個のエピソードがある。


目をとめて、精読する箇所は読者によっても、その心理状態によっても異なるだろう。


僕らは人生を生きながら、さまざまに人間に会い、仕事をし、趣味を楽しむ。


精神的にまいってしまうこともしばしばで、くよくよしてしまって動けなくなることがある。


その時は心の中でこうつぶやく。


ちいさいことにくよくよするな、しょせんすべてはちいさなこと。


そう考えよう。この言葉に救われるときがあるはず。


100個のエピソードの中で僕が一番気になったところは


『ガラスはすでに壊れたものとみなす』


これは著者が仏教の教えの中で学んだこと。


この教えの本質は、人生のすべては流転するというところにある。


恋愛関係でも、自分の命でも、お気に入りのグラスでもいつか必ずなくなる。


何かが壊れることがあっても、驚かず、それを持っていた時間に感謝する。


『しまった』と思わずに、『なるほど、そういうことか』と。


その自覚があれば、何があっても落ち着いていられるだけでなく、前よりもずっと人生の味わいが深くなる。