Books Review No.121 グラスホッパー

グラスホッパー 伊坂幸太郎著 角川文庫


グラスホッパー (角川文庫)

グラスホッパー (角川文庫)


伊坂幸太郎のハードボイルド。


このお話は、『妻の復讐を狙う元教師』と三人のわけあり人物『殺し屋』『自殺屋』『押し屋』による多視点の一人称小説である。


闇世界のお話で、かなりえぐいシチュエーションになっているはずだが、読み手はどこか安心して読めるというか恐怖心はそれほど煽られず、別世界の話に感じてしまう。


それぞれの世界を深く書いていないからかもしれない。


それでも、前半から話の展開がスリリングで面白い。一気に読めてしまう。


一番好きなのはエンディング。


この話の世界を深く印象付けて、あとは読み手に思索を任せ、あとがきは読み手に任せてくれる。


私としてはこの話のあとの世界が気になる。