Books Review No.144 変わる世界、立ち遅れる日本
変わる世界、立ち遅れる日本 ビルエモット著 烏賀陽正弘訳 PHP新書
- 作者: ビル・エモット,烏賀陽正弘
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2010/02/16
- メディア: 新書
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ビルエモットと言えば、『日はまた沈む』(草思社1990年)でバブルの崩壊をいち早く予言し、その後、『日はまた昇る』(草思社2006年)で日本の復活を宣言し、『アジア三国志』において、これからアジアで日本はどうあるべきか?を説いてきた。
ビルエモットと言えば、日本に対して手厳しいながらも、ポジティブな見方をしてきた人だと思う。
その彼が、このような本を書く時が来るとは…。
彼の主張は日本が知識集約型国家を目指し、製造業にこだわらずに、サービス業に重点を置くべきだということ。
GDPの2割しか占めていない製造業に対し、7割を占めるサービス業に重点を置く。
すなわち日本を『ものづくり立国』とするのは古い考えであり、まったく意味をなさないと説く。
今後の日本の進むべき進路について、極めて示唆に富んだ、明快な見解を本書で示してくれている。