Books Review No.144 変わる世界、立ち遅れる日本

変わる世界、立ち遅れる日本 ビルエモット著 烏賀陽正弘訳 PHP新書

変わる世界、立ち遅れる日本 (PHP新書)

変わる世界、立ち遅れる日本 (PHP新書)

ビルエモットと言えば、『日はまた沈む』(草思社1990年)でバブルの崩壊をいち早く予言し、その後、『日はまた昇る』(草思社2006年)で日本の復活を宣言し、『アジア三国志』において、これからアジアで日本はどうあるべきか?を説いてきた。


ビルエモットと言えば、日本に対して手厳しいながらも、ポジティブな見方をしてきた人だと思う。


その彼が、このような本を書く時が来るとは…。


彼の主張は日本が知識集約型国家を目指し、製造業にこだわらずに、サービス業に重点を置くべきだということ。


GDPの2割しか占めていない製造業に対し、7割を占めるサービス業に重点を置く。


すなわち日本を『ものづくり立国』とするのは古い考えであり、まったく意味をなさないと説く。


今後の日本の進むべき進路について、極めて示唆に富んだ、明快な見解を本書で示してくれている。