Books Review No.122 グローバルリーダーの条件

グローバルリーダーの条件 大前研一、船川淳志著 PHP研究所


グローバルリーダーの条件

グローバルリーダーの条件


私が本書で一番学んだことはここだ。


たかが英語、されど英語の章で大前研一氏の言葉で


『私はナイキの役員をやっていたんですが、ベトナムにはナイキの靴の工場が5つあって、20万人の社員を雇っています。今から10年くらい前になりますが、当時の彼らの給料は月に45ドルでした。中国の広東省あたりで90ドルだった頃ですからその半分です。そこでパソコンができるようになったら五ドル、英語ができるようになったらさらに五ドル給料を上げましょうと言ったんです。そしたら、ほぼ全員が勉強し始めた。給料が五ドル上がるというインセンティブだけでみんなの行動が変わったんです。ナイキのベトナムに対するプラスの影響力だけで、少なくとも20万人の人が英語でコミュニケーションできるようになったことがあげられるでしょう。』


月五ドルの収入が上がるだけで本気になって皆が英語を勉強し始める。


日本人には今絶対できないことだろう。


グローバル経済が本当の意味で浸透していけば、こういった人々に富が移っていくのは当然である。


日本人一人ひとりがグローバルな視点で個を磨かなければ、日本経済にお金は残っていかない。


最近まで日本の格差社会をどう食い止めるかに関心があったが、この本で考え方がすっかり変わってしまった。


世界を見る。


そしてグローバルスタンダードで個を鍛えなおさなくてはいけないんだな。


ふと思う、あぁ長く苦戦を強いられそうだ。苦しい時代だ。