Books Review No.113 日はまた昇る

日はまた昇る ビルエモット著 吉田利子訳 草思社


日はまた昇る 日本のこれからの15年

日はまた昇る 日本のこれからの15年


日本のバブル崩壊を予言した伝説の名著『日はまた沈む』を書いた著者が債務とデフレに悩まされていた15年の低迷を経て、回復してきた日本経済を語る。


初版が2006年2月なのでサブプライムローンに端を発する金融危機が起こってしまった今、本書のシナリオからは一旦はだいぶ離れてしまったが、知日派The economist 誌編集長は日本経済復活を認め、力強く日本経済を鼓舞する。


国別のGDPが中国に今年か来年にも抜かれ、アジア世界第一の経済大国から転落が予想され、多くの経済評論家は現在暫定世界二位の経済の緩やかな下降のシナリオを描く


(日本は一人当たりのGDPでは2007年にシンガポールに抜かれアジアでの1位から転落し、アジアでもっと裕福な国ではなくなっている)


しかし、著者は、日本は衰退を運命づけられてはいないと確信している。


本書より
『しかし再び日は昇り始めた。さらに競争と効率化と生産性向上を促す改革が続けば、日本はアジア太平洋地域の、そして全世界の人々の繁栄と平和に役立つことができる。 
 確かに太陽は昇り始めている。しかし日本がその真の可能性を発揮するために、なすべきことはまだまだ多い』


本書には外国人独自の視点があり、特に靖国神社と歴史問題は読むべき価値がある。


今なすべきことは何か?


一緒に考えてみましょう。